今月の特集
2013.3「高齢期について」
動物の高齢期...その3
高齢期に入った動物達の「家庭でのケア」についてお話したいと思います。
今回は食餌と排泄についての話です。
1食餌
動物は高齢になると四つ足で起立して食餌をとることが困難になる場合があります。
足腰が弱くなったり、視力の低下などによってうまく食べることができない場合です。
その場合は、口の高さまで食器を持ち上げて与えたり、食器を台の上に乗せて与えるなどの工夫が大切です。
もし寝たきりになった子には食餌を注射器やフィーディングチューブなどを用いて与える事が必要になると思います。手で与えることもできるかもしれませんが、眼が見えなかったり、認知症などにより手を誤って咬んでしまう可能性もあるため、注意が必要です。
また、臭覚や味覚などが低下や歯科疾患などにより、固形の食餌をたべることが出来なくなることもあります。そのような場合は固形の食餌をふやかしたり、ペースト状にすることも必要です。これにより水分も一緒に摂ることも可能です。または風味を増すために削り節をふりかけたりすることで食欲増進に繋がることもあります。
2排泄
高齢動物は消化機能の低下や水分接種量の低下などによって下痢や軟便または便秘になることがあります。他には腎臓機能の低下により薄い尿を大量にしたり、膀胱炎などにより臭いがきつい尿をすることもあります。そして排泄の認識、トイレの認識が低下する事により、トイレ以外の場所での排泄が見られるようになることがあります。
大量の尿や便などの粗相が見られると家族のストレスはとても大きいものです。
粗相を無くす、または少なくする為にはトイレの数を増やしたり、トイレを広くしたりすることも効果的です。便秘の場合は排便が出来ず苦しくなり、食欲低下、嘔吐などの症状が出る事もあるため、浣腸などをして溜まっている便を出すことが必要です。
排便、排尿を何処でもしてしまうなどの症状がある場合は動物用オムツなどを使用する事も良いと思います。
ですが、排泄で汚染されたオムツを長時間使用していると不衛生であり、感染の原因にもなるため、こまめに代えることが必要です。
排泄の管理は衛生的に保つ事がとても大切です。汚れてしまったら身体を綺麗に拭いてあげ、粗相などで排泄した場所も綺麗に消毒することが大切です。
来月は「家庭でのケアその2」を特集いたします。