今月の特集
2017.8「マダニから感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」
この数年の間に日本においてマダニに咬まれて人が死亡しています。これはTVのニュースなどでご存知の方が多いと思います。そして最近、野良猫に噛まれた女性が死亡したニュースもありました。人間が猫に咬まれたことによりSFTSウイルスに感染して死亡したと言われています。一般的に家庭内の猫、野良猫に噛まれても人が死亡することはありません。人が死亡する程の重度の感染症(人獣共通感染症)が起きてしまったということになります。今回の場合、動物から人間への世界で初めての感染例ということでも注目を集めました。
人における症状、治療方法などに関してはこの場では書くことはしません。
今回は原因となるマダニは何処にいるのか?動物たちをどのように守るのか?咬まれたらどうするべきか?などを説明していきたいと思います。
1 マダニは何処にいるのか?
マダニは通常、草むら、森林などに潜んでいます。都内で見つけることは無い、関係無いと考えている方も多くいらっしゃいます。ですが、この時期になるとマダニの感染が都内の動物達に見られます。都内の公園や河川敷などを散歩されてマダニに感染して来院される方がいます。動物たちまたは人間へのマダニの感染は地方に限ったことではなく、都内でも十分に感染するリスクがあると考えるべきです。
2 自宅内にいるダニとマダニは異なる。
診察でマダニと家の埃の中にいるコナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニと混同されている方を見かけます。そのような方は自宅を綺麗にしているのでマダニに感染する可能性はない。と言われます。外にいるマダニは目で確認することができますが、埃に隠れているダニは顕微鏡などでないと確認することが出来ないほど小さいのです。埃に隠れているダニの予防、駆除方法とマダニの予防、駆除方法は異なることを知る必要があります。
次回はどのようにマダニの感染から動物たちを守るのか?
書いていきます。