今月の特集
2016.12「動物の歯の話し…2回目」
今月で2016年も終わりですね。今年も毎月特集を更新してきましたが、読んで頂いた方々に感謝です。普段、診察で質問されることを中心に、患者さんの目線で少しでもわかりやすくと思って書いてきたのですが、どうだったでしょうか?一方通行の特集記事で少し不安ですが、皆さんにとって少しでも有益な内容であったことを願うばかりです。今後も毎月更新していく予定です。では、動物の歯の話を今月から掘り下げて話をしていきます。
今月は「乳歯」について話をしていきます。
まずは、乳歯はいつ頃生えてくるのでしょうか?子犬の場合、約3週齢から切歯(前歯)が生えてくると言われています。子猫の場合は約2週齢から3週齢と言われており、子犬とあまり差がないようです。子犬も子猫も奥歯に行く程、生えてくるのが少し遅くなるようで臼歯は子犬で1ヶ月齢から、子猫でも約1ヶ月齢弱のようです。全体的に子猫の方が生えてくる時期が少し早いようですね。
子犬、子猫を家族として迎え入れると、多くの方が悩まれる「甘噛み」が始まり、部屋の中の物をガジガジ噛んだりして傷をつけられたり壊したりして大変な思いをする方々も多いかと思います。
そんな時期は乳歯が生え揃って来る時期にも重なります。甘噛みや物を噛むなどの行為は「子犬、子猫のしつけ」で上手くコントロールができると思います。ですが、歯の生え変わりについてはその子によって時期や抜け方が異なるので子犬の成長とともに見ていくことが必要です。動物病院でのワクチン、検診などの際に歯の状態をチェックしてもらうことが大切です。生後1年経過しても乳歯が残っていればその後に抜けることは難しいので乳歯を抜歯する必要があると考えるべきです。近年、避妊、去勢手術を行うことが生後1年未満での希望されることが多いために、乳歯が残っているために手術と一緒に抜歯を希望される方が多いと思います。生後1年まで乳歯が残ることを確認する前に手術の際に抜歯をすることも1つの方法だと思います。