今月の特集
2012.11「行動学」について
今月から何回かに分けて「行動学」についてお話したいと思います。
「行動学」というと難しく聞こえるかもしれませんが、この場では、これから犬や猫を飼い始めようと思っている方、飼い始めた方などにわかりやすく、どのように動物達と接すれば良いのか、楽しい生活を過ごす事が出来るのかをお話して行きたいと思っています。
まず今月は「犬と猫の社会化」について話をします。
「犬と猫の社会化」とはこれから動物達が家庭に入って楽しく過ごす為の準備をする期間だと思って下さい。この「社会化」の時期にどのような環境でどのような生活を送るかによってその後の生活が変わってきます。
「犬」
犬の社会化は生後3週齢から12週齢で、中心となるのは5週から7週齢と言われています。8週齢頃に恐い経験をすると生涯にわたって恐怖体験が記憶されてしまう可能性があるようです。
そして16週齢までに人間との接触がなかった犬は人間を恐れるようになると言われています。犬は人間に対する愛着度、依存度が非常に強いことから飼い主によって犬の社会的行動は左右されやすくなります。犬は人間を含めた他の動物種と社会的な関係を結ぶ事が出来る非常に高い社会性を持つ動物種なのです。
「猫」
猫の社会化は生後2週齢から9週齢で、中心は5週から7週齢と言われています。人間との社会化は生後70日を超えると困難であると言われています。この社会化期に人間と接していた猫は成長後にも人間に対して友好であると言われています。猫は社交を回避しがちな動物種である一方で小さなグループ集団を形成する場合も多くあります。大人になった後に他の猫とコミュニケーションをとれるかどうかは、社会化期にどれだけ他の猫と接触経験が得られるかがとても大切になると言われています。
犬も猫もこの社会化の時期のコミュニケーションが大切なのです。
この時期に家族の方を含めて、小さいお子さんからお年寄りの方まで色んな方に語りかけ、触って頂く事でコミュニケーション力が高い良い性格の子が作り上げられて行きます。もちろん、嫌がる事を強制的にするのではなく、少しずつ、時間をかけて楽しみながら愛情を込めてコミュニケーションを取る事がとても大切なのです。