今月の特集
2016.6「動物病院で出来る健康診断について…その2」
6月に入り、関東地方は梅雨に入りました。水不足になっているようですが、今後が心配ですね。さて今回も先月に続いて血液検査についての説明です。その中でも生化学検査の話をしていきます。
1血液検査
2) 生化学検査
血液中に含まれる様々な成分を測定することで体の異常を見つけ出し、病気の診断、追加の検査や治療方針を決めていく上で大切な検査です。
① 腎臓疾患
BUN 腎臓から排泄される老廃物を表します。
CRE 腎臓から排泄される老廃物を表します。
IP 腎臓から排泄される老廃物を表します。
② 肝臓疾患
GPT(ALT) 肝臓の細胞に存在する酵素で、肝臓に障害が起こると血液中の数値が上昇します。
GOT(AST) 肝臓、筋肉などに含まれており、障害が起こると血液中の数値が上昇します。
ALP 胆嚢系の細胞に多く含まれる酵素で、障害が起こると血液中の数値が上昇することがあります。また、子犬、子猫では特異的にこの酵素が高いことが知られています。
NH3 体にとって有害となる物質で、タンパク質を摂取した過程て生成されます。通常は肝臓て代謝されて、分解、解毒されますが、肝臓に障害があると血液中の数値が高くなります。
T-bil ビリルビンは赤血球のヘモグロビンの代謝産物であり、肝臓に障害が起こると上昇し、黄疸の原因になります。
③ 脂質疾患
T-cho 血液中のコレステロールの量
TG 血液中の中性脂肪の量
④ 体の栄養状態
TP 血液中の蛋白質の総量を表します。
Alb 肝臓で作られる蛋白質の量を表します。
上記の項目には正常値があり、その正常値を超えていると何かしらの病気になっていることを疑います。もちろん、数値の高値、異常値だからと言っても直ぐに病気の診断がつくものではないことも多々あります。もしも、健康診断の結果に高値、異常値が見つかった場合は追加の検査が必要なのか、それとも経過をみるべきなのか?担当した先生にご相談をしてみてください。