今月の特集
2013.4「高齢期について」
動物の高齢期...その3
高齢期に入った動物達の「家庭でのケア」についてお話したいと思います。
今回は食餌と排泄についての話です。
1食餌
動物の高齢期...その4
高齢期に入った動物達の「家庭でのケアその2」をお話したいと思います。
夜鳴きについて
高齢動物で1番多く質問を受けるのが「夜鳴き」についてです。夜中または朝方になると急に鳴き始めてなかなか治まらない、家族が眠れない。など大変なストレスになっているという訴えです。話を聞いていると、家族の方は「夜鳴き」イコール「睡眠薬」で寝かせる。というイメージを持っている方が多いようです。確かに「夜鳴き」が始まってしまった場合、落ち着かせる、眠らせることを目的とした場合「睡眠薬」というイメージが強いと思いますが、そのような「夜鳴き」に対しては、薬を使う前に普段の生活スタイルを見直すことがとても大切なのです。まず動物達の日常の生活スタイルを再検討するところからスタートする事が大切であると説明をします。
「夜鳴き」をする動物達の日常の生活スタイルはどうでしょうか?
1昼間に夜と同じように長時間寝かせていませんか?
2散歩、歩行訓練、または手足のストレッチ、マッサージなどをしていますか?
3日光浴や、外に連れて行くなどの工夫をしていますか?
などの質問をします。
高齢になると歩く時間や距離が短くなり、外に出る機会などもなくなり、寝ている時間が多くなることがあります。昼間寝ている時間が多くなるとそれだけ夜の時間に寝る習慣が無くなり寝れなくなる事もあります。昼間の時間帯に出来るだけ身体を動かす習慣を持ち、歩行が可能なのであれば歩行させるような環境や機会を作る事が大切です。また外に連れて行き、日光を浴びさせ、体内時計を調節させます。外気の刺激を受けさせることも大切です。歩行が困難であっても抱っこして外に連れて行き同じような刺激を受けさせることはとても良い事です。他の人に話かけて撫でてもらい、また他の動物達との触れ合いも良い刺激になることがあります。寝たきりになってしまうと昼夜逆転してしまい、それだけで夜鳴きの原因になることがありますので、日頃の生活スタイルを変えるだけでも効果が期待できることもあります。
「睡眠薬」を用いることは落ち着かせ、寝かせるためには良い薬になることもあります。ですが、薬を用いる前に普段の生活スタイルを変えるだけで「夜鳴き」が減り、落ち着くことがあるのです。
薬に頼る前に自宅で出来る動物達のケアをしてみてはいかがでしょうか?